審査義務(受注までの流れ)

経営事項審査の申請を行い、その結果通知書を受けていなければ、公共工事(国・県・市町村などからの工事)を受注(発注者と契約を締結すること)することができません。

審査の有効期間

公共工事の受注には、契約締結日の1年7ヶ月前以降の決算日を基準日とする経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要です。つまり、

・経営事項審査の有効期間は決算日から1年7ヶ月有効
・経営事項審査を受けたあと、結果通知書の交付まで約1ヵ月間⇒常に受注する機会を得るためには、毎年決算日から6か月以内に、経営事項審査を受ける事が義務となります

したがって、決算日から6か月を越えて経営事項審査を受けてしまった場合、結果通知書が決算日から7ヶ月を越えて発行されてしまいます。その越えてしまった期間は経営事項審査の空白期間となってしまうことから、公共工事が受注出来なくなってしまいます!

公共工事受注までの流れ

経営事項審査を受審し、結果通知書をもらったからといって、すぐに公共工事を受注できるわけではありません。公共工事を受注したい各自治体へ、結果通知書を添付して「入札参加資格申請書」を提出し、各自治体が所有する入札参加資格者名簿に記載される必要があります。

以下、決算書完成後~入札参加可能までの順番となります
※建設業許可を取得していることが前提です。
「決算書の完成」(税理士)

①「経営状況分析の申請」

税理士が作成した決算書を、行政書士が建設業会計規則に沿った決算書へ作成しなおします。その決算書をもとに会社の経営状態を評価し、点数化する申請です。民間の経営状況を分析する機関へ提出します。

②「経営状況分析結果通知書の受取」

経営状況を分析する機関からの結果通知書を受け取ります。この経営状況分析結果通知書を経営事項審査に添付します。

③「決算変更届の提出」

行政書士が作成した決算書、及び、決算期内に完成した工事内容(工事経歴書)を
・知事許可⇒都道府県の各地方事務所
・大臣許可⇒各地方整備局
へ提出します。この決算書と工事経歴書も、経営事項審査の対象となります。

④「経営事項審査の受審」

経営事項審査に必要な書類を作成後、
・知事許可⇒都道府県の各地方事務所へ直接持参
・大臣許可⇒各地方整備局へ郵送
します。経営内容や工事内容などすべての項目を審査し工事業種ごとに点数化されます。
すべて書類が受理されると受付印が押され、その日が経営事項審査申請日となります。したがって書類に不備があると審査日が遅くなり、経営事項審査の有効期間を過ぎてしまうおそれがあるのでお気を付けください。

⑤「総合評定値通知書の受取」

総合評定値通知書が行政書士ではなく、会社の本店所在地へ直接郵送されます。大切に保存してください。

⑥「入札参加資格申請の申請」

総合評定値通知書を添付し、工事を受注したい各自治体・公共団体へ申請します。申請の際、一定の条件を満たすことで点数が加算されることがあります。

⑦「入札参加資格認定通知書の受取」

各自治体・公共団体内での点数と、点数に応じたランクが書かれています。この認定通知書が届くことで、入札参加資格者名簿に登録されたことが確定します。通常、有効期間は2年間です。

入札参加資格申請の注意点

経営事項審査の有効期間や提出する時期などすべて一律に定められていますが、入札参加資格申請については、各発注機関に任せられています。簡単にまとめると

・受付時期⇒随時受付、半年に1回、1年に1回
・有効期間⇒1年間~2年間
・提出方法⇒持参、郵送、インターネット
・付加点数内容⇒発注機関ごとに異なる

などがあげられます。
複数の発注機関から仕事を受注している場合、受付時期を過ぎてしまったり、有効期間を勘違いすると工事が受注出来なくできなくなってしまいますので、ご注意下さい。

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