建設キャリアアップシステムのレベル判定とは
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先日、建設キャリアアップシステムについてコラムでお伝えしましたが、技能者登録をしたあとに『レベル判定』といった手続きがあります。この問い合わせも多くありますので、レベル判定について簡単に説明していきたいと思います。
レベル判定とは
レベル判定とは、建設キャリアアップに登録した技能者を「技能」や「経験」によって、段階的に評価する制度となります。主に「就労日数」「保有資格」「経験」によって判断されます。
建設キャリアアップの技能者登録をするとカードが発行されるのですが、レベル判定をすることでそのレベルごとに「白⇒青⇒銀⇒金」と色分けされ、一目見てその人がどのレベルかわかるようになっています。
レベル判定の内容
レベルですが、レベル1~レベル4の4段階となっており、有資格や経験によって段階的に評価していく制度となります。国交省のホームぺージにわかりやすい図がありましたので、添付します。
出典:国道交通省【CCUSポータル】 能力評価制度について
ざっくりですが、
レベル1:何も資格が無く、とくに経験がない場合
レベル2:2級技能士など
レベル3:1級技能士、2級施工管理技士など
レベル4:登録基幹技能士、1級施工管理技士など
のようにレベル判定されることが多いです。
レベル判定の申請について
大変多くうける質問ですが、技能者登録は建設キャリアアップシステムで申請致しますが、「レベル判定」は建設キャリアアップシステムでは行いません!
職種ごとに「能力評価実施団体」が定められ、その団体にレベル判定を申請することとなります。
電気工事 | 橋梁 | 造園 | コンクリート圧送 | 防水施工 |
トンネル | 建設塗装 | 左官 | 機械土工 | 海上起重 |
PC* | 鉄筋 | 圧接 | 型枠 | 配管 |
とび | 切断穿孔 | 内装仕上 | サッシ・CW** | エクステリア |
建築板金 | 外壁仕上 | ダクト | 保温保冷 | グラウト |
冷凍空調 | 運動施設 | 基礎ぐい工事 | タイル張り | 道路標識・路面標示 |
消防施設 | 建築大工 | 硝子工事 | ALC | 土工 |
ウレタン断熱 | 発破・破砕 | 建築測量 | 圧入 | さく井 |
* PC=プレストレストコンクリート
** サッシ・CW=カーテンウォール
出典:国道交通省【CCUSポータル】 能力評価制度について
1例ですが、土木系の技術者の場合、土工に該当するため「一般社団法人日本機械土工協会」からのレベル判定をうけることとなります。「10年以上の経験」「1級土木施工管理技士を保有」「職長経験3年」を満たしていればレベル4となる可能性があります。
建設キャリアアップシステムのメリット・デメリット
今まで、建設キャリアアップシステムの「事業者登録」「技能者登録」「レベル判定」について説明してきました。では、実際に導入する・しないによってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
「事業者(会社)側」
・経営事項審査の対象
・公共工事の評価対象になることがある
・技術者がどのような資格や経験を有するのか把握するが容易になる
・建退共の電子納付により、建退共の手続きの簡素化につながる
「技能者側」
・自身の技能や経験の証明が容易
・正当な評価につながりやすい
・建退共の電子納付により、漏れなく積み立ててもらう事が可能
デメリット
「事業者(会社)側」
・費用負担が多い
・手間がかかる
といった事が考えられます。公共工事を受注する事業者にメリットが多く、それ以外の事業者には費用負担が多くデメリットが多いように思います。
ただ、現実として公共工事に建設キャリアアップシステムの導入が義務化されつつあり、その場合下請となる事業者にも建設キャリアアップシステムの導入が求められます。したがって、公共工事を受注する事業者の下請業者の場合、建設キャリアアップシステムを導入せざるをえない実情となっています。
したがって、ゆくゆくはほぼすべての事業者が建設キャリアアップシステムを導入するようになるでしょうし、そのように政府も政策を進めております。
建設キャリアアップシステムについて相談されたい方、気軽に連絡いただければと思います。