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建退共の「加入・履行証明書」の発行基準が厳格化!

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2022年08月14日

長野県飯田市、下伊那郡の許可申請代行・取得なら!長野県飯田市の坪井行政書士事務所です。

令和4年4月より建退共の「加入・履行証明書」の発行基準が厳格化されました。以下、建退共の説明や、加入・履行証明書についてみていきたいと思います。

建設業退職金共済(建退共)とは

建退共は、正式名称で「建設業退職金共済」と呼ばれ、建設業界で働く技能者に特化した退職金制度となります。普通の退職金制度と大きく異なる点として、「所属する会社が変わってしまっても、今まで積み立てた退職金を解約することなく、引き続き積み立てが可能」という点です。

通常、退職金制度は会社が従業員のために積み立て、従業員が退職する際に本人に支払う、といった制度です。ただ建設業界の場合、同じ会社にずっと在籍せず所属会社を転々とすることも珍しくありません。所属する会社全てにしっかりとした退職金制度があればいいですが、勤続年数が2~3年経過してからでないと退職金が発生しないですとか、中には退職金制度そのものがない会社も存在します。

そういったリスクを減らすため、所属会社を移動しても、ちゃんと働いた日数分の退職金を積み立てることが可能な制度が作られました。それが「建設業退職金共済制度」となります。

建退共の手続き概要

会社側の手続きとして、最初に事業者登録が必要です。都道府県ごとに建退共の支部があり、本店が所属する都道府県ごとに管理されます。

事業者登録が完了すると、会社内容と建退共の所属番号が記載された赤いラミネートされた証券が発行されます。この証券を金融機関に提示することで、320円の建退共専門の証紙を購入することができます。

次に、今まで建退共に入ったことが無い技能者を雇用した場合、建退共の手帳発行手続きを会社で行います。この手帳には氏名と建退共加入年月日が記載されており、証紙を貼る欄があります。すでに建退共に加入している技能者を雇用した場合、本人から手帳を預かります。

あとはこの手帳に、会社に出社した日数分の証紙を貼っていくだけです。だいたい1年分はたらくと手帳の証紙を貼る欄がなくなりますので、その時点で手帳を更新し、新たな手帳にまた貼っていく事を繰り返します。

最後に、その従業員が会社を辞める際に、本人に手帳を返して終わりです。(在籍中に亡くなった場合はその遺族に渡します。)あとは、本人や遺族が建退共本部に退職金請求をして完全に終了です。

加入・履行証明書とは

会社として建退共に事業者登録すると、番号が与えられます。その番号があることで、「建退共に加入していること」はわかります。ただ、建退共の証紙を購入して、従業員の手帳に張り付けて、手帳を更新しているかどうかまではわかりません。

そのため、都道府県ごとにある建退共の支部に「証紙をいつ購入して、いつ手帳に貼ったか」「更新した手帳の冊数」といった内容を報告することで、【この会社はちゃんと建退共制度を適切に運用しています】といった証明をもらうことが出来ます。

この証明が「加入・履行証明書」といわれるもので、主に経営事項審査の際に必要となります。

発行基準の厳格化

令和4年3月までは、この発行基準が都道府県にある支部ごとに異なり、厳格な都道府県もあれば、比較的緩やかな都道府県もありました。

それが令和4年4月からは、発行基準が全国で一律に統一され、さらに発行基準が厳格化されました。具体的には、建設会社の『決算期内』に

①従業員一人につき、一定以上の枚数を購入
②従業員一人につき、必ず更新を行う
①②を満たさない場合、相当の理由を添付

上記を全て満たさないと発行されなくなります。定期的に証紙を購入している会社はいいですが、1年間分の証紙をまとめて購入している場合、加入・履行証明書が発行されない可能性があります!!

今まで加入・履行証明書を取得されていた方、これからは特に注意していただければと思います。

建退共の手続きについてわからない方は、長野県飯田市の坪井行政書士事務所へお気軽にお問合せ下さい。